1,000床クラス看護部長の大改革
「セル看護」を学ぶ教室に参加しました。自分の親や親せきの人が入院すると面会のために訪れる病院のナースステーション。ここでは、病棟というグループごとに、看護師長さんという管理をしてくれる責任者がおり、病院の規模や機能により違いますが平均的には50床程度の入院患者の看護をつかさどるハブ機能を持っています。一日24時間を8時間ごとの3つのシフトに分けて、看護師さんが勤務します。申し送りといって、受け持ちの患者さんの様態を、つぎのシフトの担当看護師さんに引き継ぎが行われる場所というとイメージし易いかも知れません。看護師さんは基本的に、ナースステーションに居場所があり、一日のスケジュールに沿って受け持ちの患者さんの看護をするので動線は常に、ナースステーション⇔受け持ち患者さんのベッドとなります。一日に何度も往復しますし、薬剤や、体温計や、氷嚢、毛布、何でもよいですが忘れ物をすると探してもどります。
ナースステーションの中央集中管理から分散管理へ
「セル看護」は何かと簡単に言いますと、ナースステーションから看護師がいなくなり、基本、均等割といって看護師一人当たりの受け持ち患者さんを平等に配分し、看護師が受け持ち患者の傍らで終日仕事をするようになるという、斬新なコンセプトです。患者が何を欲しているのかを察知するには最適な看護の在り方です。
病棟の屋台
それ以外の特色は、「屋台」と言われるカートにラップトップPCと、看護に必要なあらゆるツールや材料をちょうどいい在庫量を搭載して、装備しておくことによって、看護師がナースステーションや物を取りに帰ることを極力抑止します。また、リーダーや主任はもとより、管理職であるはずの師長さんが直接、入院患者を看ることで患者観察の質を上げます。さらに、「看護師がやってあげたい看護をする」から、「ケアの受け手である患者の価値を最大化すること」を意識することだそうです。
トヨタ生産方式を病棟で応用
講師の先生が、急性期看護の生き字引のような魅力的な方であり、終日聴き入ってしまいました。日本が誇るカイゼンを世界に浸透させたトヨタ生産方式(TPS)の影響を強く受けたセル看護の動向に着目したいです。
出歩いて“見た”もの ハイブリッド生活しよう
日本では2020年2月ごろから始まったコロナ禍下での外出抑制生活が、少しずつ緩和されてきており、対面での歓送迎会が開催できるようになってきました。人が新たな道を歩みはじめるとき、周囲でそれを応援する気持ちを伝えるのに、zoomよりも対面だと感じたパーティでした。一方で、毎日の通勤やお客さんの訪問をコロナ禍以前のようにすべて対面で行うのは非効率であり、対面に適するシーン、zoomなど遠隔に適するシーンを見出して、ハイブリッド生活が実現するとよいと考える昨今です。