中学校の総合体育大会が始まる
7月に入り、地元では中学校の総合体育大会の地域予選が始まっています。トーナメント方式の場合、勝ち抜くと次の地区大会、そして県大会へとコマを進めていき夏休みの終わる9月前まで今シーズンが続きます。一方、惜しくも早期に敗退するチームは、3年生が部活引退となり、顧問の先生と反省会、ここまでの練習の労を労われて、「これからは勉強に励むように」とエールを送られます。
思春期・成長期のまっ只中に引退?!
授業前の朝練習、放課後18時頃までや土日、長期休暇中の練習に参加し、勉強との両立をマネジしてきた幼いティーンエイジャー達。思春期・成長期の14歳、15歳の彼ら、彼女らはスポーツによって心身を鍛え、人間関係の大切さやチームとしての連帯感や社会性を身に付けているはず。常に運動をする生活が、生涯にわたって健康維持のため重視させる現代社会において、15歳という若すぎる運動からの「引退」が奇異に映りはしないでしょうか。
長い人生で基本的生活習慣として欠かせない「運動」
ほぼ全国一斉に行われるこの15歳の運動部や吹奏楽などに代表される文化部の「引退」たとえ、高校入学までの約9か月間とは言え義務教育レベルの「勉強」のために全国一斉に15歳(6月引退だと、大半の子はまだ14歳)のこどもたちの生活主軸を置かせることでどのような成果、即ちアウトカムがもたらされるのでしょうか。高校受験勉強のためであるならば、世界的に見て先進国では高等学校教育は義務教育化されている国もあり、そうでなくとも大半のこどもたちが進むもの。ほぼ、全員が高校に進むなら、この育ち盛りで運動適齢期の15歳の一斉「引退」は、得るものよりも失うものが多くないでしょうか。データで分析できるものであれば、「引退」群と「非引退」群で、学力がどれほど伸びるものなのかエビデンスが欲しいと思うのです*。9か月間運動せず勉強しなさいと、教育機関が決めるものでもないはず。「引退」で成績が伸びると考える者だけが引退すればよいのでは。健やかな大人(市民)を養成するのが教育現場であるなら、15歳で体育以外の運動をゼロにするのは残酷だし、理にかなわない。勉強を前向きに取り組むためにも運動は必要。世界的にこどもの肥満という社会問題もある。
*参考図書 ジョンJ.レイティ著 脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
大人になったら体力に恵まれ、多様な経験ある人材が求められる
学力はもちろん伸ばすことは大切だが、学力だけで新たな産業振興を担う人材や起業家、DX人材は育まれない。また、基礎体力があることがキャリア形成には不可欠。部活は教員の働き方改革の阻害要因になっていることも言われる。今日は、中学校の14歳部活「引退」をテーマとしたが、もっとこの話題に注目し、わたしたちのこどもたちの心身を伸ばす教育のことを考えていきたい。
本記事は、筆者が生活の中から感じたことを記事にした。東洋経済オンラインに、スポーツライターの酒井政人さんが、同感の記事を掲載されていたので、下記にリンクを紹介します。
受験前の「部活引退」がどうにも早すぎる ~日本スポーツ界の巨大な損失?東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/137108?page=3